個人事業主やフリーランスの「開業届」の提出は必須?不要な場合は?

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「開業届」とは?

「開業届」は、正確には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
個人事業主になるには開業届を所轄の税務署に提出しなければなりません。原則として、事業を開始してから1か月以内に提出します。

ここでいう「事業」とは、一般的な事業から得た「事業所得」、不動産賃貸業などから得た「不動産所得」、山林の伐採や売買から得た「山林所得」の3種類です。
この時、「事業」としての判断は、規模、継続性や反復性などを総合的に勘案されます。

「開業届」を提出する必要がない場合

収入が一時的なものの場合には、開業届を出す必要はありません。

例えば、メルカリやネットオークションなどで不用品を売って収入を得たとしても、継続的に事業として利益を得るつもりがない場合には、開業届の提出は不要です。

また、一度限りの原稿料や、アフィリエイト収入、セミナー講師の講演料、ハンドメイド作品のネット販売なども同様に、継続した収入がない場合には開業届は不要です。

ただし、確定申告の要否については注意が必要です。
サラリーマンがこれらを副業として行う場合は、副業による所得が1年間に20万円以下であれば所得税(雑所得)の確定申告をする必要はありませんが、20万円を超えると確定申告が必要です。
一方、住民税にはこのような所得額基準の特例はないため、20万円以下であっても住民税の申告は必要になります。

「開業届」の提出が必要な場合

個人事業主やフリーランスであれば、継続した事業からの収入があるのが通常ですので、「開業届」を提出する必要があります。

また、会社員が副業で事業を行う場合でも、継続して事業を行う予定であれば開業届を出さなければなりません。
出さなくても特段、罰則はありませんが、提出は義務付けられています。

「開業届」を提出するメリットは、まずはフリーランスや副業の場合でも、青色申告ができるようになる点です。
「開業届」と「青色申告承認申請書」を合わせて提出することで、青色申告特別控除を受けられたり、赤字を繰り越すことができるため、税務メリットを受けることが可能です。

さらに、「屋号」付きの銀行口座を持ちたい場合にも、多くの場合「開業届」を銀行に提出する必要があります。
「屋号」を持ちたい場合には「開業届」を出すようにしましょう。

開業届を出すと、雇用保険の失業給付(失業保険)の受給資格がなくなります。
会社を辞めて失業保険を受給している人やこれから受給しようとしている人は、開業届を提出すると受給できなくなるため注意が必要です。

「開業届」を提出し忘れた場合

開業届は原則として開業日から1か月以内に提出する必要がありますが、うっかり提出し忘れてしまうこともあるかと思います。

提出が1か月以上経過してしまったとしても、税務署では開業届を受け付けてもらえます。
その場合、開業日は提出日とする必要はなく、遡って本来の開業日を記載することで問題ありません。

気づいた段階で速やかに提出するようにしましょう。

「開業届」は「freee開業」(無料)で作るのがおすすめ

開業届は、国税庁のホームページからダウンロードでき、e-Taxによる提出も可能です。

しかし、初めての方は入力箇所や内容がわからないことも多いかと思います。

そこでぜひおすすめしたいのが「freee開業」です。
freee開業は、フォームに沿って入力していくだけで開業届などの開業書類をかんたんに作れる無料のサービスです。

また、マイナンバーカードがあればスマホから開業届を提出することもできます。

まとめ

今回は、個人事業主やフリーランスの開業届の提出の要否についてお話ししました。

開業届を提出していないと青色申告特別控除などの税務メリットを受けられません。
確定申告時に慌てないように、開業したら忘れずに提出しましょう。

「freee開業」を使えば、無料で作成から提出まで完了するのでおすすめです。
ご参考にしてみてください。

免責
ブログ記事の内容は投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、理解のしやすさを優先し、厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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