【電子帳簿保存法④】電子取引データ保存の「検索機能」要件とは?対応しなくても良いケースは?

電子取引データの「検索機能」とは?対応が不要になるケースは?

今回は電子帳簿取引法ので全事業者に必須の「電子取引データ保存」のうち、可視性を確保するための「検索機能」について解説していきます。

「検索機能」を確保するためには、システム導入が必要になるなど、経理業務の増大が見込まれることから、一部の事業者は対応しなくても良いことになっています。
対応不要の要件についても押さえておきましょう。

目次

電子取引データ保存の「検索機能」要件とは?

「電子取引データ保存」は、「真実性の確保」と「可視性の確保」が求められるのですが、このうち「可視性の確保」のためには、見たいデータをすぐに表示できることが必要です。

そして見たいデータを表示するためには、「検索機能」が備わっていることがポイントになります。つまり、検索ワードを入力すれば、該当の資料を表示させることができるようにしておくのです。

電子帳簿保存法では、原則として「日付」「金額」「取引先」の3点を使って検索できるようにしておくというルールが定められています。

具体的には、次の3つの検索要件を備えておく必要があります。

① 日付、金額、取引先により検索できること
② 日付又は金額の範囲指定により検索できること
③ 2つ以上の任意の項目を組み合わせた条件で検索できること

取引がたくさんあって手作業で管理できない場合には、新システムを導入する必要があるかもしれません。

それほど取引数が多くない場合であれば、管理簿をエクセルなどで作成した上で、管理簿に沿ってPDFの名称の付け方をルール化しておくことでも差し支えありません。

例えば、日付、取引先、金額が記載された管理簿をエクセルで作成し、この管理簿の情報をもとにPDFの名称を「日付_取引先_金額.pdf」と付けるように統一しておきます。

検索要件が不要となる場合

このように、電子取引データに検索要件を確保することは、実務上かなりの負担となることが想定されます。

そこで、一定の要件を満たせば、検索要件が不要となります。

具体的には、基準期間(通常は2年前の売上高)が5,000万円以下の事業者で、税務調査の際にデータのダウンロードやプリントアウトによる提出に応じることができれば、検索機能の確保は不要です。

さらに、基準期間の売上高が5,000万円超の事業者であっても、以下の要件を満たせば検索機能の確保が不要となります。

  • 日付、金額、取引先で検索できる(3つの検索要件のうち①)
  • 税務調査時に、電子取引データのダウンロードの求めに応じることができる

一定の事業者は検索要件が不要になるとはいえ、税務調査時に必要なデータをすぐに提示できる状況にしておく必要があります。

まとめ

今回は電子取引データの「検索要件」について解説しました。

一定の事業者は検索要件が不要になりますが、とは言え、メールなどで受領した書類をそのまま放置しておくのではなく、後から検索できるように整理しておくことは最低限必要になります。

ご参考にしてみてください。

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